第327章

島宮奈々未が丹羽光世の腕を支えた途端、丹羽光世はさっそく弱ったふりをしはじめた。身を奈々未のほうへ預け、腕を彼女の肩に回してくる。

「奈々、脚が痛い。……ねえ、俺のこと、ちゃんと心配してよ」

島宮奈々未「……」

丹羽光世がどういう人間か、彼女はよく知っている。だから驚きもしない。

「無理するからよ」奈々未は人目につかないように、丹羽光世の腕をきゅっとつねって罰にした。

丹羽光世は口元の笑みをいっそう深くする。どこからどう見ても、じゃれ合っている恋人同士だ。

その光景を前に、林川天一の顔色は見る見るうちに悪くなった。

かつて島宮奈々未と付き合っていたとはいえ、こんなふうに感情を素...

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